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STORY
ADをしている23歳の村田美希(上原実矩)は、お笑いの番組が作りたくて制作会社に入ったが、深夜に街の良さを紹介する関東のローカル番組『この街と私』の担当として休みなく働いている。彼氏の翔也(佐野弘樹)と同棲している部屋には寝に帰っている状況で、彼氏の話もろくに聞けていない。ある日、お笑いの特番に企画を出したものの、一蹴されてしまった美希だが、『この街と私』の街頭インタビューを初めて一人で任せられる。撮ってきた素材を見たディレクターに、「使えない」と言われた美希は…
バラエティ番組を作るために制作会社に入社したのに、深夜に街の良さを紹介する番組「この街と私」を担当している23歳のADの葛藤を描く映画『この街と私』は、監督・脚本・編集を務めた永井和男の実話を元にした成長物語。
地域発信型映画として東京都葛飾区を舞台に制作された本作は、メインキャスト全てがオーディションからキャスティングされ、300名以上の応募の中から主人公・美希役に、21年に第22回TAMA NEW WAVEコンペティションでベスト女優賞を受賞し話題の上原実矩が選ばれた。 美希の彼氏・翔也役を演じた、佐野弘樹(『浜の朝日のうそつきどもと』)は、本作が準グランプリを受賞した第5回賢島映画祭で助演男優賞を受賞。ディレクター・中山役を宮田佳典が、プロデューサー・寺本役を伊藤慶徳が演じる。
劇中のテレビ番組「この街と私」には、実際の葛飾観光大使でもあるLiLiCoと、芸人の大西ライオンが本人役で登場する他、美希の憧れの芸人として天竺鼠の川原克己、インタビューを買って出る客役で、ですよ。、居酒屋で遭遇する芸人役で大溝清人(バッドボーイズ)ら数々の芸人たちが本人役で登場する。
本作の劇場公開に際し、同じく永井和男監督の、したまちコメディ大賞2015の観客賞や京都国際映画祭2015クリエイターズファクトリー劇映画部門優秀賞などを受賞した短編映画『くさいけど「愛してる」』(15)とYouTuberで女優のめがね、辻凪子、大井真巳の友情物語を描いた短編映画『霞立つ』(18)の併映が決定している。
「この街と私」の撮影をしていた時はマスクをつけてなかったなあと思い出し、時間の流れの速さに驚いています。そしてようやく劇場での上映が決まったことに嬉しくワクワクしております。ありがとうございます。
初めて脚本を読んだ時、だれしもが経験のあるもしくはこれから経験するであろう初々しい悩みや葛藤が詰まっていて懐かしくも羨ましく感じました。
僕が演じた翔也は主人公美希の彼氏です。美希に悪態をつかれながらも飄々と時に図々しく支えている翔也はとても素敵な人間だなと思いました。ヒモですが。。。笑
そんな彼は彼なりに美希と誠実に向き合い大切に思っているのだと。その気持ちを大事に抱えて演じました。
この作品で第5回賢島映画祭の助演男優賞を頂きました。個人的な賞をもらうのが初めてだったので嬉しかったです。
まだまだ油断できない状況ですが、皆さんの日常のほんの少しの時間だけ、映画館に寄り道し「この街と私」をみていただけると嬉しいかぎりです。
中山は”嫌な上司というキャラクター”だけではないと思いました。
映画をヒロイン目線で見ていくと、後輩に対して厳しく、嫌な上司、物語上の敵という風に見えるかもしれません。
しかし、それだけではなく社会で生きていく為に必要な事を彼なりに伝えているのではないか。
彼には彼の人生があり、その側面を見たときに共感でき、このキャラクターを演じる事が出来ました。
この映画では社会を生きていく中で誰しもが必ず経験するであろう共通の壁(試練)が描かれているのではないかと思います。
それをどう考えて乗り越えていくか。
僕にも、この様な試練が次々と訪れています。
だからこそ見終わると、
『少し肩の力を抜いて頑張ろうかな』って、どこかフッと楽になる部分がありました。
皆様にも日常で力が入りすぎている事、気を張りすぎている事あると思います。
明日から少しでも楽に過ごしてもらえたらと。
ぜひ劇場でご覧下さい。
制作会社のプロデューサー、寺本という役を演じました伊藤慶徳です。
寺本は、業界だけじゃなくどこの会社でも必ずいる、圧が強めの少し癖のある上司です。
自分が過去に会ったそういう人達を意識しながら演じました。
この映画は、リアルな葛飾区民の方々がたくさん出てきており、どこまでが俳優でどこまでが葛飾の人なのか分からない、ある意味フィクションとノンフィクションの境界線を超えた面白い作品になってると思います。そして何よりこの映画を観た後は葛飾に行きたくなります。
監督の温かさと優しさとユーモアが詰まった作品です。
ぜひ、劇場でご覧頂ければ嬉しいです。
今回映画『この街と私』に少し出させていただいています。本当に少しなんですけれども、本人役ということで、非常に大変でした。何が大変かって、本人役ということもあって、撮影が終わっても今もなかなか役が抜けていない状況です。
今回の映画はADさんメインです。本当にリアルにあるんですよ。収録に行ったら、そのディレクターさんがもともとADで、「昔覚えていますか、ADで『川原さんと仕事したかったです』みたいな(ことを言いました)。ADの時、夢が叶ってよかったです」という人が、今思い出しただけでも3人います。2で割り切れない状態になっております。
劇場の方に貴重品とともに足をお運びください!
僕は大学を卒業後、新卒でテレビ制作会社に入社しました。
AD時代は休みが無く、ロケハン、リサーチ、議事録、愛想笑いに追われていました。
面白い番組を作りたくて入社しましたが、数年後にまだその感情が残っている気がしなくてすぐに会社をやめました。
そこから自主映画を作り始めました。
お金は自分で出さないといけなかったですが、作りたいものが作れました。
作品が映画祭で評価されて、『この街と私』の企画の話が来ました。
吉本興業制作の地域発信型映画で、葛飾区での撮影が決まっていました。
一度、元々あった企画を提案しましたが、葛飾で撮影する意味を問われました。
再度ロケハンに行き、葛飾を巡る中で、地域発信型映画というものについて考え、AD時代のことを思い出しました。
あの時、希望を捨ててすぐに会社を辞めた自分と、今、監督として逃げられない自分がいました。
その時、まさに試されていると思い、この葛藤を映画にしようと思いました。
併映の『くさいけど「愛してる」』は友人の恋人の口臭を苦に、初めて作った短編映画です。
『霞立つ』はYouTuberのめがねちゃんと話しながら女子高生YouTuberの苦悩をできるだけそのまま映画にしました。この2作品と共に『この街と私』を見ていただけたらなと思います。
チャンネル登録者数が30万人を超えるYouTubeチャンネル『めがねっとわーく。』のYouTuberで女優のめがね主演の友情物語。映画監督としても活躍する辻凪子とCMを中心に活躍する大井真巳が親友役を演じた。 完成後、「めがねっとわーく。チャンネル」にて本編が配信され、60万回再生を突破。数々の国内の映画祭で上映され、第1回滋賀国際映画祭グランプリ、第14回山形国際ムービーフェスティバル準グランプリなど多数の賞を受賞。主演しためがねは、第21回小津安二郎記念 蓼科高原映画祭にて審査員特別賞(新人賞)を受賞した。
高校卒業を目前に就職先が決まっていないミカ(めがね)は、親友の女優志望のヒカリ(辻凪子)と彼氏ができたモエ(大井真巳)に「ユーチューバーになれば?」とそそのかされる。YouTubeにアップする動画の撮影を始めるミカだが、だんだん親友二人の心が見えなくなり…。
めがね
辻 凪子 大井真巳
辰寿広美 篠崎雅美 澤田由衣
監督・脚本・編集:永井和男
撮影:小林健太 録音・整音:杉本崇志 助監督:磯部鉄平 音楽:すのう
主題歌:花海「遠くの空に」
2018年/日本/カラー/16:9/20分
監督の友人の恋人の口臭がきっかけで制作された本作は、「言いづらいことをどうやって相手に伝えるか」がテーマのコメディ。国内外20以上の映画祭にて上映され、したまちコメディ大賞2015勝手にサポーター&観客賞、京都国際映画祭2015クリエイターズファクトリー劇映画部門優秀賞、Kisssh-Kissssssh映画祭2016グランプリなどを受賞している。
誠(ルーデルマン大地)は恋人である結衣(上西愛理)の口臭に悩んでいた。どうしても真実を伝えることのできない誠が歯医者に相談すると、口臭を測る装置(スメライザー)を渡される。
ルーデルマン大地 上西愛理 奈須崇
三浦美智瑠 篠崎雅美 天音 間宮志穂 真弓 伊賀漣太郎 井戸川真子
監督・脚本・編集 永井和男
撮影 小林健太 録音 了舟隼人 プロデューサー・助監督 今井太郎
2015年/日本/カラー/16:9/24分
COMMENTS
順不同·敬称略
若者を描くことは【不満】を描くことだ。 主演を務めた上原実矩は不満がよく似合う。
特に、矢切の渡しのシーンでのそれは必見だ。俺は吹いた。
不満が解消されてゆく彼女の顔が、映画たらしめている。
「やりたくもないことで何でそんな疲れてんの?」
「今はこれしか出来ないから」
仕事も恋も、思うようにうまくはいかない。じめっとした空気の中で、時には息ができなくなるくらいに、迷ったり、すれ違ったりする。でも、ぱっと視界が開ける瞬間がある。生きてける、と感じる瞬間がある。そしてそういう瞬間のあることを、この映画は教えてくれる。現実と希望はいつだって隣り合わせだ。
監督の永井くんは直接話すと凄く尖ったことやシュールなことを言ってきたりするんですが、彼が撮った映像を観るとそういった印象がまるでなく本当はストレートに心あたたかいものが好きなんだなと感じます。
今回の映画をみてようやく普段の話し方は、照れ隠しやったんや。
と気づきました。
かわいい人です。
監督が映画を通して過去の自分を綴り、浄化して行く、そんな映画が好きです。
本作はまさにその魅力に溢れた作品です。
主人公美希のクルクル変わる表情や、セリフの一つ一つの輪郭が浮かび上がって、美希と永井監督が重なって行く様子がとても愛おしい映画でした。
個人的には、作中何度も見られる上原実矩さんの不機嫌顔を、iPhoneのホーム画面にしたいくらい、、そのくらい上原さんの鬱憤溜まった不機嫌顔が最高です。
「見栄を張る」という映画の助監督コンビで出会った永井くんとはお互いの映画を手伝い合う仲です。
「この街と私」はADをやっていた永井くんの実話をベースにする事で「地域発信映画」をグッと自分に引き寄せて撮れたと思っています。たぶん。
あるシーンでは自分の実話を映画で書き換えて越えていく瞬間を見てしまいました。
その場に立ち会えたのは凄く幸せな時間でした。